年間2万匹!無駄にされる犬猫の命
毎日のように犬猫に関する悲しい記事をあちらこちらで見かけます。
今回も、その数字に驚かずにはいられませんでした。
朝日新聞とAERAが自治体調査で分かった「ペット流通の実数」
そこには75万匹が流通し、2万3千匹余りが、生まれてすぐ、輸送中、展示中などで命を失っていました。しかし、これだけが全てではなく届出や報告をしていない業者も多数いるため今回の調査は最小の数値といえるでしょう。
小さな命が商品や物として扱われ、裏では杜撰な繁殖形態で、生後45日を迎えると親元を離れ展示スペースにいれられるという流通形態を無くさなければ、いつになっても減るはずがないのです。
以前は生後30日でも展示販売されていた生体は、動物愛護法で56日(8週)まで販売引き渡しは禁止となりましたが、未だに45日の緩和措置が取られているのが現状。小さいほど可愛く、売れるスピードも速い、そして展示中のエサ代も少なく済むというのはペットショップの都合でしかないでしょう。しかし小さければ小さいほど命のリスクは大きく、輸送中のトラックの中でショック死をしたり、車酔いをして嘔吐物を喉に詰まらせたり、ショップ内でも閉店後は段ボール箱に蓋をして保管するケースが多く、その中で命を落とすことも多いといわれます。
繁殖形態も様々で、複数のペットショップなどと契約し、個人で動くバイヤーも少なくありません。その背景には一般の家庭で生まれ小遣い稼ぎの感覚で一つの命を5千円〜1万円台でバイヤーに引き渡す一般の繁殖者がいます。一般の家庭で生まれて直接ペットショップに持ち込むと、そのようなバイヤーを紹介されるケースがほとんどで、その後もバイヤーが買い付けに来るので良い子遣い稼ぎになると味をしめる一般の飼い主も多いようです。
その犬猫達は、ほとんどが近親交配のため、なんらかの疾患を抱えているケースが多く、無理な交配を強いられた母犬猫たちの体はボロボロ、そして安値で引き渡された生体はペットショップで10数万で展示販売され、飼い主に渡っていくのです。
飼い主にも原因があります。ペットショップで販売されている場合、生まれた地域等は確認できますが、その犬猫の生まれた背景まではわからないのが現状、その犬猫の背景を知ろうと興味も持たずに買っていく飼い主の意識の低さにも大きな問題があるといえます。
今、犬猫の購入に関してはペットショップが7割を占め、ブリーダー購入は2割程度でしかありません。
日本には愛情を込めてブリーディングをしているブリーダーさんがたくさんいます。
今まで悲しい思いをして、幸せな引き取られ先を待っている保護犬や保護猫もたくさんいます。
1日も早く、自治体と行政が一体となって生体販売の規制見直し、強化をはかってくれることを望みまたいと思います。
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