13発の銃弾をあびた紀州犬ミリオン君
皆さんもご存知かとは思いますが、先日また残念なニュースが飛び込んできました。
千葉県松戸市内で人に噛み付き通報され、駆けつけた警察官に射殺された紀州犬のミリオン君。しかも警察官は3人で合計13発もの銃弾を一頭の紀州犬に浴びせました。
紀州犬の性質は日本犬ならではの警戒心を持ってはいますが、とても素直で誠実な犬でイノシシ狩りでも活躍をし、天然記念物として指定される優秀な犬です。
実際のところ、人を咬むことが目的の犬はこの世に存在しません。ですが、どうしても咬まなければならない場面があるのです。そのシチュエーションを作っているのが人間です。
人間は何かに攻撃する場合、素手も使えますし、武器も持つことができます。しかし犬は手を使うこともできないので口で攻撃するしかありません。
でも人間も犬も同じことが言えるのは、必要がなければ攻撃はしないということ。
今回の飼い主は、いわゆるネグレクトだとも言われています。ベランダにつなぎ排泄もさせていたらしいです。
この様な事件が起きて、皆さんが言う様に、しつけの重要性が問われています。
犠牲が出ないと、しつけがとり立たれないのがとても残念でなりません。
しかし、しつけ!しつけ!というのは簡単ですが、間違ったしつけではしょうがありません。
ドッグトレーナーである私は、しつけトレーニングはとても重要であると考えます、しかし一番肝心なのは癒しを貰っている犬たちに少しでもストレスを与えない生活を送らせてあげることだと思います。
これは誰でもできること!
居住環境・・・スペース、音、接し方、トイレ
散歩・・・時間、内容
遊び・・・室内(引っ張りっこ、宝探し)、屋外(ドッグラン、走る、犬と遊ぶ)
ふれあい・・・会話、ボディーケア、マッサージ
犬にとって暮らしの中にストレスがあると、行動に変化が起き、人間に対する問題行動である咬む、吠えるをする場面が現れます。ですがストレスがなければ咬む必要も無くなりますし、脱走することもないでしょう。ましてや人を襲うという行動にはならないでしょう。
おそらく最高にストレスを抱えたミリオン君はこう思っていたでしょう。
「ヤッター!外に出られたぞ!捕まってなるもんかー!」
「なんだ?この人! もしかして首を掴まれてお家に戻されちゃうかも!」
「やめて! 近寄らないで! そんなことをしたら咬むよ! 咬むよ! 咬むからね!」
絶対に体で信号を出していたミリオン君。
今の日本の対応では、いずれにしろ死であったでしょう。
武器を持たない相手に対しては、催涙弾や麻酔銃などではダメなのだろうかと思う私は安易なのだろうか?
ストレスのある暮らしの中で、外に出られるチャンスがあり脱走したけど、見る人、見る人、首を掴まれて捕まえられそうで怖かったので咬みつくしかなかった。そんなミリオン君の命が残念出なりません。ミリオン君にそんな行動を取らせる暮らしをさせたバカ飼い主が憎いです!
私は、いつしかペットショップという生体販売が制限され、何処の誰の犬かが明確な上で家族として命を迎え入れ、社会で暮らしていける適応力を身につけるトレーニングやしつけが一頭一頭確実に行われ、安全で安心できる食生活が送れ生涯健康でストレスなく犬と人間が共生できる社会に1日でも早くなれることを希望するのと同時に、私もドッグトレーナーとして地道に貢献していきます。
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